~学びと気付きの場所作り~

◆地域での活動や、日々試行錯誤した事について書いています◆

育成に悩む日々

昨日のブログでは、私の心の闇を、

いつものように長々と脈絡もなく書き、

はっきり言ってお見苦しいところを曝け出し、

あんな文章を読んでくれた方には、

ただただ感謝しかない。

 

外面クソ野郎 - ~学びと気付きの場所作り~

 

あんなにネガティブになる要因として、

新人育成を自主的にやっていく中で、

悩む日々を送っていることがあげられる。

 

『臨床思考養成塾』と銘打って、

一昨年からはじめているのだが、

うまくいかないことだらけである。

 

研修ニーズの乖離

 

まず、私がいつも悩んでいるのは、

講師である私と受講生の、

研修内容に対するニーズの乖離が挙げられる。

 

わずか10年という薬剤師経験ではあるが、

自分なりに、様々な学会のセミナーに参加したり、

沢山の薬学系書籍や医療系書籍を読んだり、

そうして学んだ末にたどり着いたのが、

日々の臨床現場で、

どのように考えて、

どのように行動するか、

そうした思考能力や行動力の重要性である。

 

別の言い方をすると、

『共通専門能力』の重要性とも言える。

 

共通専門能力とは何か、

改めて調べてみることにしたら、

下記のブログを見つけたので引用したい。

 

さて畠山さんによると専門能力は個別専門能力と共通専門能力の組み合わせからなるという。個別専門能力は業務の分野の専門性のことであり、経理だとか、生産管理だとか、人事労務などのことである。個別専門性は知識という側面が強い。例えば簿記なら、学校教育、資格試験、書物などで習得できることを想像するとよいだろう。

 

他方、共通専門性は、分析力、論理的思考力、文章や言葉による表現力、交渉力、段どりの組み方(スケジュール管理、優先順位の調整)、指導力など、分野を超えて必要とされる能力のことである。

(引用:個別専門能力と共通専門能力 | 猫好きのブログ)

 

上記の引用を見て、

薬剤師としての共通専門能力とは何かと言えば、

学生のうちに学んだ、

薬理学、薬物動態学、薬物治療学、製剤学、

と言った薬学部固有の分野を、

どのように現場で利用し、

分析や論理的思考や表現につなげることができるのかという点は新人に足りないのではないか。

 

こうした共通専門能力を身につけ、

俗に言うVUCAの時代を生き抜くために、

考え続ける人材を育成したい、

という私の想いが、

臨床思考養成塾にはこめられている。

 

受講生のニーズ

 

他方、受講生は、

どちらかと言うと、

個別専門能力を学びたい傾向が強い気がする。

 

ここで、

私が個別専門能力としているのは、

領域別もしくは疾患別の薬物治療や、

関連知識などである。

 

例えば、

循環器で言えば、

心不全ガイドラインや、

心電図の読み方や、

治療方針や薬物治療などである。

(例えばと銘打った割にはザックリだな)

 

もちろん、

こうした、より専門性の高い知識は、

重要であるのは間違いないし、

私自身もそう思っている。

 

しかし、

新人研修として、

こうした分野を扱うことには、

私は疑問を感じてしまう。

 

なぜなら、

個別性や専門性の高い、

細かな領域別の知識は、

時を経るごとにアップデートされる可能性が高く、

研修で取り上げるとしても、

講師から受講生に対して一方方向になってしまう可能性が高いと思うからだ。

 

個人的には、

個別専門能力も共通専門能力も、

どちらも大切だと思うが、

研修として取り上げるとすれば、

共通専門能力の向上が必要だと思っている。

 

このニーズの乖離は、

もはや主義主張の違いというレベルの話であり、

どちらが正しいとかそういうことではないと思う。

 

受講生のニーズに合わせればよいのか?

 

ニーズの乖離に対しての考えは述べたが、

講師をしていて、

この乖離を埋められない状態での研修ほど、

辛いものはないと感じることがある。

 

ニーズの異なる受講生の態度が気になる場合だ。

 

受講生も人間だが、

講師もまた人間である。

 

明らかに聞く耳を持たない態度をされれば、

講師としては気になってしまう。

 

もちろん、受講生としては、

今更何なんだ、と不満を持つのもわかるが、

こうやって言葉にして書いていると、

乖離状態を埋める必要があるんだろうな、

と改めて感じる。

 

正直言って、

私は昨日のブログでわかるように、

メンタルが強い方ではない。

 

そんな私には、

講師として人に教えるなんて、

出過ぎたまねなのかもしれない。

 

うちの会社は、

毎年毎年新卒薬剤師が入社することはない。

 

今年の新卒薬剤師の研修を終えたら、

一度色々と振り返りながら、

ひと段落ついて育成現場から離れようと思う。