~学びと気付きの場所作り~

◆地域での活動や、日々試行錯誤した事について書いています◆

思い付きで行動してしまうことの功罪

なんだか長いタイトルになってしまった。

まぁ、自分のことなのだが、いつも思い付きで行動してしまうのである。

 

リアルにはお会いしたことがないが、とても素晴らしい人なんだろうなぁと思っている人の今日のツイートを見て、色々と考えさせられた。

 

このツイート全てに、共感と、自分の行動への反省と、様々な感情や思考が揺さぶられ、今後の自分の行動を見直さなければならないなぁと感じたのだ。

 

(ちなみに、あつこ@緩和認定薬剤師さんのnoteもおすすめでごわす→「家に帰りたい」を叶えたい|KirariPh.Atsuko|note)

 

思い付きの行動

 

私は、どちらかというと、思いついたらすぐ行動してしまう方である。

患者さん宅に訪問する必要があると感じた時、医師との面会が必要だと感じた時、他職種と情報共有が必要だと感じた時、などには、即行動しないまでも(ちゃんと店舗の状況は見ますよ)、比較的早く行動してしまう。

ある方は、そんな私を見て、フットワークが軽いよね、と評価してくれた。それを聴いて、気分を害することはなく、むしろ好意的に受け取っていた。

 

しかし、そんな自分の行動が『その人だけしか出来ない業務』になっていた可能性が高かったなぁと、上記のツイートを見て思い知らされた。

まぁ正確に言えば、以前にもそんな自分の行動振り返ったことはあったのだが、今でも変わっていないのだからたちが悪い。

 

実は、こうした自分の行動への反省がPharmaTribuneのコラムを更新出来なくなった理由の1つであった。

 

PharmaTribuneコラム

 

2018年6月から2019年5月まで、PharmaTribuneにて『薬剤師の地域医療実践日誌』というコラムを連載させていただいた。

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現在は一応休止状態であるのだが、書けなくなってしまった理由がいくつかある。

 

まず、上記のように、自分の行動が思い付きのものが多く、参考にならないのではないか、と考えていたからだ。

紙面上でも、度々以下のような文章を書いていたが、いつも頭の中には、こんなの紹介して大丈夫なのか、という思いがあった。

読んでいる皆さんの中には、私だったらこうする、という考えがあると思います。コラムに記載した私の行動が『正解』だというわけではありません。まして、読者の皆様の身の回りの症例に当てはまるかどうかは分かりません。自分の行動が概ね正しいかどうかは、目の前の患者さんの経過を見ることでしか判断できないからです。ですので、読者の皆さんには「へぇ〜こんなことを考えている薬剤師がいるんだぁ」くらいの気持ちで読んでいただければと思います。

(引用:ロキソプロフェンを飲む理由は左顎が痛いから。さて、どうする? | 薬剤師のためのメディア「ファーマトリビューン」)

 

次に、思い付きの行動が多いこともあり、その行動の根拠に乏しいことが多いなぁと、いつも反省していたからである。

結果的に、大きな失敗をしたことはないし、むしろ丸くおさまるし、良かったねで終わることが多いのだが、振り返ると落ち度が多く、もっとこんなことが考えられたのではないか、と思い知らされることが多いのだ。

そんな行動ばかりをPharmaTribune上で公開していたので、常に恥部を曝け出すかの如く、穴があったら入りたい気分であった。

 

例えば、次のような事例は、まさに反省しかないのだが、紹介しよう。

 

独居老人の便秘

 

事例背景は思い出しながら書いているので、ざっくりとしたものである。

80歳代 女性 Aさん

既往:糖尿病 不眠症 便秘症 認知症

市営住宅に住んでおり、隣には娘が住んでいる

親子の仲は良いとはいえない

近所に孫が住んでおり、孫が主介護者と言える状態であった

××年××月 便秘症のため救急車で運ばれた

運ばれる前からセンノサイド錠の処方があり、家族が毎日薬を渡していたが、飲んだところまでは確認できず、便秘状態となっていた

××年○○月 再度便秘症のため救急車で運ばれた

薬はセンノサイド錠以外の処方はなく、認知症ではあるものの、日常生活に大きな支障はない状態であった

相当ざっくりとした内容だが、概ねこんな感じである。また、これから書く内容も細かい点は端折っており、きめ細やかな対応に欠ける記載もあるかと思うが、あまり額面通りで捉えないでいただきたい。

 

ちなみに、糖尿病治療薬や睡眠導入剤を以前は服用していたが、処方医と何度も情報交換し、処方提案と対話を繰り返した結果、センノサイド錠のみの処方となった経緯がある。

 

今回、問題としたい私の行動、それは、訪問看護師の介入を医師に提案したことだった。

たまたま別の在宅訪問している患者さんで、便秘症の方に訪問看護師が排泄ケアで介入しケンエーG浣腸液を使用することもあった方がおり、Aさんにもそうした介入が良いのではないかと思いついたのだ。

(もちろん、Aさんの娘さんとは何度も何度もお話しし、家族の介入では便秘への対応は難しいと判断した結果であることを断っておく)

 

医師の了承を得て、担当ケアマネに提案し、ケアマネから訪問看護師に提案され、ケアマネと訪問看護師がAさん宅に同行訪問したのだが、ここで私の軽率な行動が波紋を呼ぶことになる。

 

上記の同行訪問後、訪問看護師さんから当薬局に電話がある。内容は次のようなものだ。

・どういった経緯で看護師の訪問となったのか見えない

・そもそも指示書がない

・Aさんの状態からは便秘の評価がし辛い

電話の中で、私が医師に提案した旨や、その経緯を説明し、これまた思い付きで以下のような提案をした。

 

「サービス担当者会議を開きましょう」

 

本来はケアマネジャーが開催しようとするものだが、私の思い付きで色々と迷惑がかかっているなと思ったのと、情報共有が必要だと感じたため、上記の提案をしたのだった。

その後は、病院のスケジュールを確認し、ケアマネさんや訪看さんの介を確認し、日程調整して開催にこぎつけた。

サービス担当者会議では、私が司会をつとめ、拙い進行ながら、参加者全員のコンセンサスを得ることに成功し、結果的には良い方向に話がまとまった。

 

この事例などは、まさに私の思い付きの行動の功罪を考えざるを得ないものだと認識している。

 

SNSは学びでいっぱい

 

今回は、あつこ@緩和認定薬剤師さんのツイートで、自分の行動を振り返るキッカケを得たわけだが、FacebookTwitterなどのSNSは、本当に尊敬に値する薬剤師との出会いの宝庫であると思っている。

薬剤師として働いて10年になるが、まだまだ伸び代でいっぱいだなぁと思い、また明日からも頑張らなければと感じた次第である。