~学びと気付きの場所作り~

◆地域での活動や、日々試行錯誤した事について書いています◆

私の考える薬歴記載のあれこれ

昨日のブログの最後に、

電子薬歴を使いこなすには、

ということで3つの視点を書いた。

 

①臨床判断を磨くこと

②POS思考とSOAP思考に慣れる

③タイピング能力の向上

(参照:電子薬歴への投資 - ~学びと気付きの場所作り~)

 

今回は、この3つについて、

もう少し詳しく言語化したいと思っている。

(国語力に乏しい私が言語化出来るか不安だが…)

 

なお、個人的にはMUSUBIへ変更して欲しいなぁ、

と新し物好きな私は、心から思っているが、

昨日も書いたように経営判断する立場にはなく、

今あるものをどのように駆使するかという視点で、

考えていることを付け加えておきたい。

 

臨床判断

 

①として挙げた『臨床判断』であるが、

ここでは岸田直樹先生の本でかかれているような、

臨床推論とは異なるものであることを、

はじめに述べておく。

カンファレンスで学ぶ 薬学管理に生かす 臨床推論

カンファレンスで学ぶ 薬学管理に生かす 臨床推論

  • 作者:岸田 直樹
  • 発売日: 2019/09/27
  • メディア: 単行本
 

 

1人あたりの薬剤師の処方箋枚数の規定として、

薬機法には(旧薬事法)40枚あたり1人とされている。

 

日本特有の、時間から考える仕事、

ということを考えると、

1日8時間=480分を40枚で割ると、

患者1人あたり10分ほどの時間となる。

 

その10分の間に、

調剤&監査&服薬指導&薬歴記載、

をしなければならないわけだ。

 

ちなみに、ここでは調剤の機械化や、

非薬剤師の話題は抜きにして考え、

服薬指導と薬歴記載にだけ話を絞る。

 

ここでの臨床判断とは、

目の前の患者さんの状態や、

処方内容から重症度や緊急度を、

多面的に判断することである。

 

『多面的に』としたのは、

病態生理の観点からなのか?

薬物治療の観点からなのか?

相互作用の観点からなのか?

薬物動態の観点からなのか?

といった具合に、

どの観点から重症度や緊急度を判断するのか、

様々な視点が考えられるからである。

 

臨床判断をして患者さんに対する時間のかけ具合を

調節することは可能だと思っている。

 

その為には、臨床判断とともに、

DCPAサイクル(PDCAサイクルのDOからのもの)

を回していく必要があると思っており、

DOは服薬指導であると思っている。

PDCAサイクル自体は今の変化が激しい世の中では、

遅いという意見もあるが、この点については、

また別の機会にでも言語化しようと思う。

 

POSとSOAP

 

②としてあげたPOS思考とSOAP思考であるが、

続けてあげる③タイピング能力の向上は、

繋がってくるので、それぞれ記載した後に、

最後にまとめていきたいと思う。

 

まず、そもそもPOSやSOAPって何か、

という定義の部分を記載する。

 

 POSとはProblemOrientedSystemの略であり、

患者のプロブレムに着目しプロブレムに対して、

どのようのアプローチするかという解決技法の1つ、

とされ、アメリカで提唱されたものである。

 

POS思考を運用するためのフレームワークが、

SOAPとされている。

S:Subjective

O:Objective

A:Assessment

P:Plan

の略である。

1968年米国の医師L.Lweedにより提唱された問題解決技法の一つ.医師,看護師の標準的な記録(診療録(カルテ),看護記録)に利用されている.考え方の基本は,問題解決過程にあり,患者の主観的情報Subjective(S),患者の客観的な情報Objective(O),情報の分析過程,期待される結果Analysis/assessment(A),医療の計画Plan(P),と進めていく.POSのサイクルを繰り返しながらその過程を記録することにより,医療チームの中で情報の共有化がなされ,連携が強化される. POSは患者ケアに倫理性・客観性・継続性をもたらし,ファーマシューティカルケアを実現するための強力な手段となる.(2005.10.25 改訂)(2009.1.16 改訂)

(引用:POS - 薬学用語解説 - 日本薬学会)

 

こうしたPOSやSOAPであるが、

本質的に思考を理解した上で、

服薬指導ができているかが、

薬歴記載のスピードにも影響すると思っている。

 

その点を詳しく書いてある書籍として

次の書籍を添付しておく。

誰も教えてくれなかった実践薬歴

誰も教えてくれなかった実践薬歴

 

 

タイピング能力

 

③としてあげたタイピング能力であるが、

上記のように、②と③はセットの事項であり、

ここで『②と③はなぜ必要なのか?』を

記載していきたいと思う。

 

薬歴記載に限らず、

キーボードを叩いて文字入力する際には、

必須のことではあるが、

『思考して書く』という行為である以上、

『思考する』という行為と『書く』という行為に

わけてそれぞれのスピードをあげることでしか、

結果的に時間を生み出すことができないのは

自明のことである。

 

『思考する』行為が②

『書く』行為が③

ということだ。

 

ちなみに、③の行為には、

定型文を作成することも含まれている。

 

さてさて、いつものように雑な文章であるが、

①〜③で語っているのは、

薬歴記載の時間をどれだけ減らし、

そこで出来た時間を患者さんのために使い、

価値を創造することの基盤にやることである。

 

時間を作っても、その時間で薬局として、

あるいは薬剤師として価値を創造できなければ、

そもそも意味がないということにもなりかねない。

その点は注意が必要なのかなぁと思う。