~学びと気付きの場所作り~

◆地域での活動や、日々試行錯誤した事について書いています◆

漫画『ぼくらの』

TVをつければ、

どこもかしこもコロナコロナ。

 

新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るう中、

未だに岩手県は感染者がゼロ。

 

以前にもブログに書いたが、

検査数が少ないのもあり、

重症例はおそらくないのだろうが、

軽症者は少なからずいるのではないか、

と推測している。

 

まぁ、出来ることを淡々とやるしかないので、

手洗いを徹底し、自らの行動も考えながら、

ウイルスだけでなく、人としての尊厳も考えて、

日々行動しているつもりである。

 

そんな中、薬局で日々患者さんと話していると、

新型コロナウイルスに対する不安で、

心身共に参っている方に出会う。

 

メンタルヘルスの問題だ。

 

そんな折、ちょうど『WEEKLY OCHIAI』で、

『自粛期間のメンタルクライシスを考える』

という内容であったので、試聴した。

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毎回毎回、気付きの多いコンテンツで、

今回もまたツイートさせてもらった。

 

さてさて、そんな状況下で、

ふと読み直したいな、と思った漫画があり、

娘を21時に寝かしつけてから、

全巻一気読みしてしまった。

 

ぼくらの

 

その漫画とは『ぼくらの』である。

ぼくらの(1) (IKKI COMIX)

ぼくらの(1) (IKKI COMIX)

 

例の如くWikipediaから作品情報を引用する。

『月刊IKKI』(小学館)において2004年1月号から2009年8月号まで連載され、IKKI COMIX(小学館)にて全11巻で単行本化されている。2007年にテレビアニメ化され、また同年から翌2008年にかけて小説版『ぼくらの〜alternative〜』が全5巻で刊行された。

近未来の日本を舞台に、謎の超技術で作られた巨大ロボットを操り、地球を守るために戦う少年少女たちが主人公である。物語は1話ごとに1人の子供に焦点を当てた連作形式で構成される。極限状況に直面する子供たちは、自らの人生、家族や社会とのつながり、生命の意味などを問い直してゆく。

2010年、第14回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞した。

(引用:ぼくらの - Wikipedia)

どういった経緯でこの作品を知ったのかは、

記憶が定かではないが、

色々と考えさせられる好きな漫画の1つだ。

 

あまり具体的に書くと、

ネタバレになってしまうので、

小学生の作文のような文章になると思うが、

私の感想をだらだらと書いていきたい。

 

哲学的な問い

 

私は哲学に詳しいわけではないが、

『ぼくらの』を読むと、

生きる意味とは?

人間の愚かさとは?

家族のあり方とは?

死ぬことに意味はあるか?

情報の価値とは?

といった問いが頭に浮かんでくる。

 

Wikipediaからの引用に書かれているように、

極限状態に直面した際の人間の心理などが、

丁寧に描かれていると感じている。

 

また、詩的表現がふんだんに盛り込まれており、

繊細なタッチの絵柄と相まって、

情緒的な気分にさせる。

 

そんな気分もあいまってか、

はじめてこの漫画を読んだ時とは異なって、

私も2人の子を持つ親になったこともあってか、

読みながら泣いてしまった。

 

多くの気付きを得たり、

気持ちの浮き沈みもありながら、

21時から1時までの4時間で、

全11巻をあっと言う間に読み終えてしまった。

 

読み直そうと思った理由

 

さてさて、なぜ久しぶりに、

しかも月曜日という1週間のはじまりに、

漫画を読もうと思ったのかと言えば、

まぁ特に理由はない。

 

あえていうならば、

冒頭にも書いたように、

新型コロナウイルスに対して、

日々刻々と変わる状況や、

日々刷新される情報や、

人々が抱くさまざまな意見、

といったまさに不確実性の高い世界にいる中で、

『ぼくらの』で描かれているような、

ある種の極限状態に近いなぁと思ったのもある。

 

再度読み返すこと

 

よく、読書について、

何度も読み返すことが良いと言われている。

 

『本を読み返す』とググってみると、

様々なサイトにあたることができたので、

1つ参照として添付する。

(参照:【再読の効果】本を何度も読み返すということ | Dual Career)

 

このサイトには、村上春樹 雑文集からの引用があるため、ここでも引用する。

本というのは読む年齢によって、あるいは読む環境によって、評価が微妙に変化し上下するものだ。シェイクスピアだってカフカだってチェーホフだってバルザックだって、漱石だって谷崎だって、そのときどきによって作品から受ける印象はけっこう変化していく。

読み直してみていくぶんがっかりすることもあれば、改めて再評価することもある。同じ作家のものでもAという作品のほうがBという作品よりも優れていると思っていたのに、ある時を境にBのほうがAより良くなったりもする。それは小説だけではんく音楽についても言えることだ。

そういう推移の中に、我々は自らの精神の成長や変化を読み取ることができるかもしれない。精神的定点を外部に据え、その定点と自分自身との距離の変化を測ることによって、自らの居場所をある程度特定することができるわけだ。それも文学作品を読み続けることの楽しみのひとつである。

(引用:【再読の効果】本を何度も読み返すということ | Dual Career)

村上春樹 雑文集 (新潮文庫)

村上春樹 雑文集 (新潮文庫)

  • 作者:村上 春樹
  • 発売日: 2015/10/28
  • メディア: 文庫
 

 

漫画も同じなんではないか、

そんなことを今回感じた次第である。

 

また時間がたってから『ぼくらの』を、

読み直していこうと思う。