~学びと気付きの場所作り~

◆地域での活動や、日々試行錯誤した事について書いています◆

服薬情報提供書を出せるようになるには

昨日も、娘の寝かしつけの際に寝落ち…

最近Twitterにて『ブログのネタが尽きない』と、

豪語していたのに何とも恥ずかしい展開…

 

このツイートをして2日間…

ブログ更新出来ず…

まぁ何とも自分らしいっちゃあ私らしいが…

(調子に乗ったところで躓く…)

 

さてさて、今回は私が担当する新人教育である、

『臨床思考養成塾』で疑義照会と服薬情報提供書、

について取り上げるのだが、

その際にどんな内容にするか、

私の頭の中を整理する意味で言語化していきたい。

 

以前の内容

 

疑義照会と服薬情報提供書については、

以前も取り上げており、

その際の流れを思い出すままに記載していく。

 

・疑義照会と服薬情報提供書の違いは緊急性

・服薬情報提供書として言語化することの大切さ

 (記録や情報共有の意味合いがある)

・効率的な情報伝達ツールとしてのSBAR

・服薬情報提供書に書く内容に決まりはない

・症例に対して服薬情報提供書を作成するワーク

 作成後に評価するワーク

 

ざっとこんなところか。

この内容を約90分間で行い、

かつ仕事終了後に開催していたが、

今年から開催方法を変更したことは、

以前もブログに書いてみた。

 

(参照①:新人研修の見直し - ~学びと気付きの場所作り~)

(参照②:新人研修〜1年目〜 - ~学びと気付きの場所作り~)

(参照③:気がつけば数日間 - ~学びと気付きの場所作り~)

 

添付したブログにも書いてあるかと思うが、

以前とは異なり、今年は業務時間内に開催し、

かつ1時間で研修を終えることとしたため、

内容に関しては配布資料にまとめ、当日は、

ワークやアウトプットに時間を使うことにした。

 

今年の内容

 

今年からの『疑義照会と服薬情報提供』であるが、

今まで足りなかった部分を補填しようと思う。

 

補填する内容とは何かと言えば、

今まではどちらかと言うと、

入り口部分を示して「あとは自分でやってね」

というスタイルだったので、

より具体的な部分まで記載することである。

 

もちろん、

「ここまでは伝えるけどあとは自分でやってね」

というのはこれからも変わりない。

(1時間の研修では限界がある)

 

しかし、

伝える内容が、あまりにも抽象的であったので、

より具体的にすることで、

受講者がより行動しやすくなれば、と考えている。

 

ということで、

私が(私みたいな輩が)考えている、

疑義照会と服薬情報提供書について、

ブログで言語化することで、

資料も作成しやすくなるのではないか、

と思い、これから書いていこうと思う。

(相変わらずの長い前振り)

 

●疑義照会と服薬情報提供書利用の違い

どちらも、薬剤師から医師に対して情報を伝える、

という場面の話である。

ちなみに文書や電話などによる情報提供では、

他職種が相手のこともある。

 

疑義照会と服薬情報提供書の違いを、

今までは『緊急性』というキーワードで、

2つの違いを表現した。

 

緊急性が高い案件→疑義照会(電話)

緊急性が低い案件→服薬情報提供書(文書)

 

このように分ける理由を語る際に、

緊急性をどのように判断するかという部分を、

考えなければならない。

 

(緊急性が高い案件の例)

・薬剤の重複(同効薬や同成分)

・明らかな副作用発現

・処方カスケード

(緊急性が低い案件の例)

副作用の可能性あり

・服薬指導の情報共有

・患者の認識や背景などの情報共有

 

細かな例を挙げれば他にもあるかと思うが、

大きな単位でくくるとこういった形になるのでは、

と考えている。

 

なお、緊急性が高い&低い、

その両方に含まれているのが、

副作用に関するものである。

 

ここに関しては、明らかな場合と、

可能性はあるが判断が難しいものに分けられるが、

ここを判断する際には、また別に評価が必要だ。

 

副作用評価は別のテーマ(薬剤師のアセスメント)

にて取り上げるつもりであるが、

主に以下の書籍の内容を加味する予定である。

3ステップで推論する副作用のみかた・考えかた
 

 

また、緊急性の判断については、

患者状態のアセスメントも必要になるため、

薬剤師はそうした能力も必要だと考えている。

 

緊急性以外の要因

 

前章では、

疑義照会と服薬情報提供書の違いを、

『緊急性』という観点で言語化してみたが、

情報伝達手段の特徴からも違いを明確化できる。

 

考えられる限りではあるが、

特徴を箇条書きにしてみようと思う。

 

(疑義照会)

・基本的に電話でのやり取り

・医師と直接話せないこともある

・間接的に話す際には医療事務や看護師が媒介

・口語(話し言葉)によるコミュニケーション

・相手のリアクションがわかりやすい

・時間が確保しにくい

(服薬情報提供書)

・時間的に余裕がある(次回受診時までなど)

・基本的に医師が読む(はず)

・文書作成時間がかかる

・文章力が問われる(要約力や論理性など)

・文書のリアクションがわかりづらい

 (読まれたのかがわかりづらい)

・記録にもなる(後から振り返ることができる)

 

このように分けてみると、

浮き彫りとなるのが、伝える情報内容や、

伝える側のコミュニケーション力についても、

どちらの手段を選ぶのかという判断要因になる、

と思っている。

 

例えば、

情報内容が口語(話し言葉)で伝わりにくい、

あるいは伝えにくい場合には、

服薬情報提供書を用いた方が良さそうだ。

 

疑義照会の考え方

 

疑義照会については、

あちらこちらで色々と問題が起こっている。

 

疑義照会のし過ぎだと医師がキレているとか

それに対して薬剤師は自身の権利を主張するとか、

そんなことが日本中で繰り広げられている。

 

そんな問題に対しあぁだこぉだ言うつもりはない。

事例事例で状況が異なるため、

外野が言うことなど何もないからだ。

 

当事者にしかわからないことが多い以上、

外野が何か言うだけ無駄である。

(もちろん同情したり気持ちは傾聴するが…)

 

さてさて話が脱線したが、

私が疑義照会の際に心掛けているのは、

それが保険的な問題なのか?

または薬学的あるいは医学的な問題なのか?

といったことである。

 

その上で、門前の医師との間では、

簡単なプロトコールを作って対応している。

 

疑義照会のプロトコールについては、

以下のサイトが参考になる為添付する。

おそらくプロトコールによる対応を、

最初にやったと思われる、

京都大学医学部附属病院のものだ。

(参考:保険薬局の方へ - 京都大学医学部附属病院薬剤部)

 

門前以外の病院に関しては、

上記のように保険の問題なのか、

患者に被害が出るものなのか、

といった判断をした上で、

保険上の問題である場合は、

最初にその旨を伝えるようにしておく。

 

また、保険上の問題が散見される場合には、

薬剤師会という単位で対応するようにしている。

具体的には、薬剤師会を通して、

病院と意見交換をするような形で、

薬剤師会の役員には、

地域の病院勤務の薬剤師がいるため、

病院薬剤部から病院に問題提起してもらう。

 

服薬情報提供書の考え方

 

服薬情報提供書は、

フォーマットが大切だと考えている。

 

個人的には、

厚労省のページに添付されているものは、

情報量が多すぎて、

作成の手間がかかることや、

おそらく相手が見ても見にくいのではないか、

と思っているので使用していない。

(参照:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000114872.pdf)

 

そこで、三重大学医学部附属病院薬剤師のものを、

参考にしている。

(参照:http://www.hosp.mie-u.ac.jp/pharmacy/upload/20141024-115902.pdf)

参考にしている、といったのは、

若干内容を変更しているからだ。

どこを変えているかというと、

『所見』と『薬剤師からの提案事項』の間に、

『薬剤師の判断』という項目を入れたことである。

 

別に特段大した話ではないが、

『所見→所見に対しての判断→その結果の提案』

という図式の方が論理的であると考えたからだ。

 

5月21日研修

 

さてさて、色々と書いてきたが、

今月の21日の『臨床思考養成塾』開催までに、

つらつらと述べた内容をまとめて配布資料にする。

 

当日は、1時間の中で、

最初の10〜15分で、

受講者が送ったことのある服薬情報提供書を、

プレゼンしてもらうことにしている。

 

プレゼン内容は以下の通り。

・なぜ送ろうと思ったのか
・どんな内容のものだったのか
・送る際もしくは作成の際に気をつけたことは何か
・送った後のリアクションはどうだったか
・リアクションを受けてどう思ったか

当日が楽しみである。