~学びと気付きの場所作り~

◆地域での活動や、日々試行錯誤した事について書いています◆

現場目線からの意見

岩手県は未だに感染者はゼロ。

他県ではオンライン服薬指導が多いようだが、

こと釜石に関しては、まだ実施事例は僅か。

 

当薬局に関しては、

今日も通常通り患者がたくさん。

 

薬局内が3密にならないよう、

患者の状態を見極めた上で、

問題なさそうな患者はスピーディーに、

ある意味トリアージしながらやっている。

 

最近患者さんから耳にするのは、

「他県ナンバーの車が多い」

というものだ。

 

不安になるのはわかるが、

新型コロナウイルスが流行する前から、

他県ナンバーの車なんてあったでしょ、

今までは気にしなかっただけじゃないの?

と声かけしたり、

もしも岩手県は感染者ゼロだから、

他県から来た人がいるとしても、

皆がやれることは手洗いの徹底でしょ?

わからないことを気にするぐらいなら、

やれることを淡々とやりましょう!

と伝えるようにしている。

 

さてさて昨日は、

釜石医療圏で取り組んでいるICTである

『OKはまゆりネット』を紹介した。

 

絵も写真もなく、

文章だけでは伝わらないと思うが、

要するに使い勝手が悪い部分がある、

ということだ。

 

昨日のブログの最後に書いたように、

今日は続きを書いていきたいと思う。

(参照:釜石地域のICT - ~学びと気付きの場所作り~)

 

あらためてOKはまゆりネットの導入目的

 

昨日のブログでは説明しなかったが、

OKはまゆりネットがどんな目的で構築されたのか、

私見も交えながら述べていきたい。

 

まず、導入背景であるが、

昨日のブログにも添付したページから引用する。

【背景】
●『OKはまゆりネット』の導入は、平成 21 年度に国の認定を受けた「岩手県地域医療再生計画【釜石保 健医療圏】(以下、「計画」という。)」に当該事業が盛り込まれたことが直接のきっかけであるが、釜石・ 大槌地域(以下、「地域」という。)ではそれ以前から地域包括ケアシステムの基盤となる医療・介護連 携体制(いわゆる「顔の見える関係」)の構築が進められてきた。
●地域において医療・介護連携体制の構築が進められてきた背景には、「ネガティブイベントを経験する ことによる危機意識の共有」がある。東日本大震災津波での被災など、地域にとってマイナスとなる出 来事を経験するたびに「このままではいけない」「なんとかしなければ」と医療・介護関係者が危機意識 を共有することで、顔の見える関係の構築にむかって取り組んでくることができた。
●計画に記載された本事業の目的は、「患者及び医療機関の負担を軽減し、地域での医療資源の有効 活用を図る」というものだったが、導入にむけて地域で協議を進めていく中で、単なる業務効率化とい う目的の枠を超えて、医療・介護連携の一層の強化に資するようなものにしようとの機運が高まった。 そこで、これまで地域で構築してきた医療・介護連携体制に『OKはまゆりネット』という「新たなツール を加えるもの」と位置づけ、『OKはまゆりネット』への参加対象施設の範囲や連携に必要な機能を模 索した。
●予算等:(岩手県)地域医療再生臨時特例交付金を活用した財政的支援(計画掲載額 285 百万円)

(参照:https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/chiiki-houkatsu/files/032115kamaisisi_ootuticho.pdf)

 

またどんな経緯で、

このシステムが運用されているのか、

参照ページよりスクショしたものを添付する。

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釜石地域が素晴らしいのは、

実践しながら地域のコンセンサスを得る、

という地道な行動を続けている部分だ。

 

添付した写真にあるように、

平成21年から約10年、

このシステムを使用し続け、

拡大させてきたのだ。

 

こうした継続性がない地域のICTは、

途中で頓挫することもあるのだろう。

 

ちなみに、またまた参照ページから、

このシステムの機能を添付する。

f:id:GORIABURA21:20200501215721j:image

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この2つ目の写真の赤丸で囲んだ、

時系列ビューについて見出しを変えて、

続けていきたい。

 

時系列ビューとは

 

簡単に言ってしまえば、

患者さんの記録を、

時系列に確認できるものだ。

 

検査、処方内容、紹介状、などなど、

患者さん毎に時系列ビューは作成されるのだが、

この患者さんというのは、

県立釜石病院に関係する方のことである。

 

県立釜石病院に、

外来で受診する方や、

入院している方や、

退院した方のことだ。

 

つまり県立釜石病院の患者さんでなければ、

患者情報を時系列ビューを使って共有する、

というICTらしい働きは期待できないのである。

 

これも、導入の過程で、

釜石医療圏唯一の急性期病院である、

県立釜石病院に入退院するフェーズでの、

情報共有が主目的となったため、

このようなシステムになったと思われる。

 

ちなみに、

時系列ビューで閲覧できる情報には、

業種によって差がある。

 

医師は全ての情報を閲覧可能だが、

薬剤師は画像系の情報は見れないのである。

 

せっかく、

最近では薬剤師が心電図を読んだり、

x線やCTやMRIやエコーなどを活用したり、

といった書籍も出ているというのに…

薬剤師よ,心電図を読もう!

薬剤師よ,心電図を読もう!

 

 

ちなみに、介護系職種は、

閲覧可能な情報が、

薬剤師よりも少ない。

 

その影響もあってか、

介護系施設での導入や利用は、

少ないのが現状である。

 

閲覧可能な情報の少なさだけでなく、

昨日のブログに挙げたように、

端末と利用者の数のミスマッチもあるが…

 

メディカルケアステーション

 

そんな現状を鑑みて、私は

『OKはまゆりネット』の運営に関与する団体

の1つである『チームかまいし』に対して、

意見書を書いて出した。

(参照:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12600000-Seisakutoukatsukan/0000118547.pdf)

 

内容としては、

①介護系施設の利用が進まないのはなぜか?

②それを改善するためにできることはなにか?

というものだ。

 

①に関しては散々書いてきたので、

②に関して述べていきたい。

 

ちなみに、見出しの、

メディカルケアステーションの利用を、

釜石地域で利用することを進めてほしい、

というものだ。

(参照:MedicalCareStation|医療介護専用コミュニケーションツール)

 

このシステムを、

釜石地域で利用した方がよいと思った理由は、

①導入にお金がかからない

②OKはまゆりネットと併用可能

③デバイスを選ばない

④セキュリティレベルが高い

⑤利用している地域が多い(参考事例が多い)

以上5点である。

 

こうした意見が受け入れられ、

現在、私の関わる在宅患者で、

試験的に運用させていただき、

今年中に運営に対して、

プレゼンする機会を与えられる予定である。

 

昨日今日と、

ブログに書いたことで、

自分の中でも言語化できてきたので、

その際は、よいプレゼンができそうである。

今後の展開に関しては、

またこのブログで取り上げたいと思う。