~学びと気付きの場所作り~

◆地域での活動や、日々試行錯誤した事について書いています◆

気付きをどのように得るか

改めて、このブログのタイトルにもある、学びと気付きについて私が考えていることをつらつらと述べていきたい。

私の思考整理の過程としての文章であり、もしもこんなブログに読者がいるとしても、その方達に向けてというよりは、自分自身のために書いているブログであり、その点ご容赦いただきたい。

 

生涯学習

 

我々薬剤師は、日々進歩し続ける医療分野に身を投じているため、学び続けることを、ある意味義務付けられている職種である。

義務付けられていると厳し目の表現をしたのは、薬剤師の第一条(薬剤師の任務)にも記されているように、国民の健康に寄与することを求められている国家資格だからだ。

(薬剤師の任務)

第一条 薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする

参照:・薬剤師法(◆昭和35年08月10日法律第146号)

 

そうした背景の中、学び続けるためには、どんな心構えが必要で、どんなことに注意するとよいのか、という視点で考えていきたい。

 

関心があるかどうか

 

『人は関心のあるものにしか反応しない』と言われている。出典が何かは私にはわからないが、色々調べてみると、古代ローマカエサルの言葉にも近いものもあるし、心理学のカクテルパーティ効果にも近いものもある。

fere libenter homines id, quod volunt, credunt.

ほとんどの場合、人間たちは、自分が望んでいることを喜んで信じる。

参照:「人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。 多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていない(カエサル)」について、混沌とした状況になっているので整理します。 - オシテオサレテ

参照に添付したブログでは、カエサルの言葉についてブログ主なりに整理しており面白い。

カクテルパーティー効果(カクテルパーティーこうか、英: cocktail-party effect[1])とは、音声の選択的聴取 (selective listening to speech)[2]のことで、選択的注意 (selective attention) の代表例である。1953年に心理学者のコリン・チェリー (Cherry) によって提唱された。カクテルパーティー現象ともいう。

参照:カクテルパーティー効果 - Wikipedia

カクテルパーティ効果は、営業やマーケティングと関連付けた記事も散見され、なかなか面白い。

 

脱線したので元に戻そう。

薬剤師が生涯学習するにあたって(どの職種でもそうかもしれないが)関心があるかないか、という視点は大きな意味を持つと思っている。

 

極論にはなるが、例えば、薬理学に関心がある薬剤師がいるとして、薬理学の知識ばかり得ていたとしよう。薬理学の知識だけで、患者の役に立つことができるのだろうか?という疑問符がついてしまう。

患者の役に立つという表現は具体性にかける表現ではあるものの、様々な分野の知識を得る必要があるのではないか、と私は考えてしまうのだ。

 

様々な分野の知識を統合し、それを患者さんのために使うことが重要なのではないか。

 

そう考えた私はGoogle検索で、知識を統合するという概念があるのか探してみた。

検索能力の低い私である。

単純に『知識を統合する』と入れてみると、いくつものサイトがヒットした。

 

知識を統合する

 

f:id:GORIABURA21:20200319054430j:image

検索結果の1つに、看護師国家試験の過去問に関するものがあった。

【必修】これまでに獲得した知識を統合して物事に対処する能力はどれか。
1.記銘力

2.想起力

3.結晶性知能

4.流動性知能

(参照:【必修】これまでに獲得した知識を統合して物事に対処する能力はどれか。 | 看護に役立つ【ナース専科プラス】)

答えは3の結晶性知能らしい。

こんな概念習ったっけか…?

大学時代に勉強していなかった私の記憶などあてにはならないが、少なくとも私の記憶にはない。

 

ちなみに、結晶性知能をGoogle検索してみる。

f:id:GORIABURA21:20200319054437j:image

Raymond Cattellという心理学者による概念であるらしい。いくつかのサイトを見たが、正直看護師国家試験の問題にも若干疑問符がつくが、私にとって新しい概念を教えてくれたと思って細かいことは省こう。

さて、結晶性知能の定義であるが、どうやら流動性知能も重要であるらしい。

結晶性知能とは、学校で受けた教育や、仕事・社会生活の中で得た経験に基づいた知能である。例えば、言葉の分析、単語力、語学能力などは、この結晶性知能によって行われる。一方、流動性知能とは、新しいことを学習する知能や、新しい環境に適応するための問題解決能力などのことである。そして、結晶性知能の発達は、個人の流動性知能によって左右される。つまり、二人の人間が全く同じ経験を積んだ場合、流動性知能の高い個人が、結晶性知能をより発達させることができる。ただし、いかに流動性知能が高い個人でも、知能を発達させる環境(例;学校)に晒されなければ、結晶性知能はあまり発達しない。

(参照:レイモンド・キャッテル - Wikipedia)

なるほど、知識や経験といった結晶性知能が発達しても、問題解決能力に代表される流動性知能が高くないと、効果的な行動はできないということか、そう私は解釈した。

 

私は今まで、関心がない分野の知識を得る機会を設け、そこで得た気付きが、学習者自身の学びを加速させることにつながると思っていた。

今回色々と調べてみて、知能について学ぶと面白そうだなぁと感じた。