~学びと気付きの場所作り~

◆地域での活動や、日々試行錯誤した事について書いています◆

1日1論文〜8日目〜

少しコホート研究にも慣れてきたかなぁ。

継続は力なり、淡々と更新していきたい。

1日1論文としているが、更新ペースが2日に1度となっている…

タイトルはそのままでやっていきたい…

 

(注意)

もしもこんなブログをお読みになられる方がいるとすれば、記載内容には全く持って自信がなく、他人に教えるためではなく、私自身の勉強のための記載なので、くれぐれもその点お忘れのないようにしていただきたい。

 

今回も月刊『薬局』の2020年1月号『Evidence Update 2020』に取り上げられた引用論文を『10分で論文を読むワークシート』を用いて読んでいきたいと思う。

(参照:https://aheadmap.or.jp/download/114/)

(2020年1月号の引用論文を読むのはなぜか)

・引用論文にPMIDの記載があること。

・著者による引用文献に対する解説があるため、

 抄読会をしているかのように自己学習の中で、

 他者の意見を参考にできること。

 

さて、今日もまた名郷先生の2019年論文ベストテンから、8つ目の論文である。

 

PMID:31617924

Association Between Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitors, Angiotensin Receptor Blockers, and Suicide
Muhammad Mamdani, PharmD, MA, MPH, Tara Gomes, MHSc, PhD, [...], and Tony Antoniou, PharmD, PhD

 

今回も観察研究である。

前回までで、ほんの少しだけ、コホート研究に慣れてきたなと思った矢先…

(Key Points → Findings)
In this case-control study

と書いてあるため症例対照研究である。

こちらもまた苦手分野なので、トレーニングの意味もこめて読んでいきたい。

 

・論文のPECOは何か?

P

(Key Points → Finding)

In this case-control study of 964 older adults who died by suicide and 3856 matched control participants, compared with angiotensin-converting enzyme inhibitors, exposure to angiotensin receptor blockers was associated with a higher risk of suicide. Findings were consistent in a sensitivity analysis that excluded individuals with a history of self-harm.

(Google翻訳:アンジオテンシン変換酵素阻害剤と比較して、自殺および3856人の対照参加者で死亡した964人の高齢者を対象としたこの症例対照研究では、アンジオテンシン受容体遮断薬への曝露は自殺のリスクがより高かった。 調査結果は、自傷歴のある個人を除外した感度分析で一貫していた。)

E : ARBs

C : ACEIs

(Abstract → Objective)

To examine the association between suicide and exposure to ARBs compared with ACEIs.

(Google翻訳:ACEIと比較した自殺とARBへの曝露との関連を調べる。)

O

(Abstract → Main Outcomes and Measures)

Conditional logistic regression was used to estimate odds ratios for the association between suicide and exposure to ARBs compared with ACEIs.

(Google翻訳:条件付きロジスティック回帰を使用して、ACEIと比較した自殺とARBへの曝露との関連のオッズ比を推定しました。)

 

・真のアウトカムか? 

真のアウトカムである。

 

・調整した交絡因子は何か? 

コホート研究もそうだが、交絡因子の調整のチェックが理解できていないので、今回も『The SPELL』『はじめてシート』の症例対照研究を参考にする。

(参照:http://spell.umin.jp/BTS_CCS3.0.pdf)

 

●はじめてシート(症例対照研究)

  5 論文で取り上げられている交絡因子は何か?

(本文 → Statistical Analysis)

We adjusted for potential confounders, such as Charlson Comorbidity Index score, socioeconomic status, residence in a long-term care facility, congestive heart failure, and a history of the following in the past year: stroke, chronic kidney disease, chronic liver disease, alcohol abuse, affective disorder, anxiety or sleep disorder, psychoses, agitation and related disorders, other mental health conditions, and specific drug classes as individual terms, including psychotropic drugs, cholesterol-lowering drugs, and other antihypertensives.

(Google翻訳:チャールソン併存疾患指数スコア、社会経済的地位、長期療養施設での居住、うっ血性心不全、過去1年間の脳卒中、慢性腎臓病、慢性肝疾患などの交絡因子の可能性を調整しました。 アルコール乱用、情動障害、不安または睡眠障害、精神病、動揺および関連障害、その他の精神的健康状態、および向精神薬コレステロール低下薬、その他の降圧薬を含む個々の用語としての特定の薬物クラス。)

 

  6 交絡因子が最小になるように調整されているかか?

(本文 → Methods)

For each case, we selected up to 4 controls, matching by age (within 1 year of the index date), sex, and previous diagnoses of hypertension and diabetes, and assigned them the same index date as their matched case.

(Google翻訳:各ケースについて、年齢(インデックス作成日から1年以内)、性別、高血圧および糖尿病の以前の診断で一致する最大4つのコントロールを選択し、一致したケースと同じインデックス作成日を割り当てました。)

 

(本文 → Statistical Analysis)

We compared baseline characteristics of cases and controls using standardized differences (ie, the difference in the mean of a variable between 2 groups divided by an estimate of the SD of that variable), where values greater than 0.10 suggest a significant difference between cases and controls,16 and used multivariable conditional logistic regression to generate odds ratios and 95% CIs for the association between suicide and exposure to ARBs compared with ACEIs.

(Google翻訳:標準化された違い(つまり、2つのグループ間の変数の平均の差をその変数のSDの推定値で割ったもの)を使用して、ケースとコントロールのベースライン特性を比較しました。 、16および多変数条件付きロジスティック回帰を使用して、ACEIと比較した自殺とARBへの曝露との関連についてオッズ比と95%CIを生成しました。)

 

・結果は何か?

(Abstract → Results)

Compared with ACEI exposure, ARB exposure was associated with higher risk of death by suicide (adjusted odds ratio, 1.63; 95% CI, 1.33-2.00). The findings were consistent in a sensitivity analysis excluding individuals with a history of self-harm (odds ratio, 1.60; 95% CI, 1.29-1.98).

(Google翻訳:ACEI曝露と比較して、ARB曝露は自殺による死亡のリスクが高いことに関連していた(調整オッズ比、1.63; 95%CI、1.33-2.00)。 発見は、自傷歴のある個人を除外した感度分析で一貫していた(オッズ比、1.60; 95%CI、1.29-1.98)。)

 

感想

 

感想の前に、余談であるが『はじめてシート』と『10分で論文を読むワークシート』を、私がどう使い分けているか説明したい。

『10分で論文を読むワークシート』はJJCLIPで用いられているもので、月に1回、日曜日の21時からツイキャスにて放送される中で使用されているもので、放送中は症例に対して青島先生、桑原先生、山本先生(五十音順)が解説を加えており、論文の背景やワークシート使用の際の補足も説明してくれている。

放送を聴き、かつ自分でも論文を読み続けるのであれば、問題ないと思うのだが、ブランクがあると背景知識を忘れてしまうことがあり、それを補足する意味で『はじめてシート』を使うと良いのではないかと思う。

『はじめてシート』は『10分で論文を読むワークシート』よりも、チェック項目が多く、細かい印象があるが、解説の文章も記載されており、読み物として読むのもオススメである。

そんな特徴のある2つを、基本的には『10分で論文を読むワークシート』を使用し、自信がない部分を『はじめてシート』で背景知識も含めて補足する形で使用し、使い分けている。

 

さてさて、感想に戻ろうと思うのだが、その前に、チェック項目で触れない部分も軽く読んでいこうと思う。

 

まずIntroduction。

アンジオテンシンⅡは血液脳関門通過しないんかぁ、ARBやACEIは程度は様々だが通過するわけねぇ、ふむふむ、メカニズムは不明瞭なわけかぁ、ほぉほぉ、サブスタンスPねぇ、ふむふむふむ。

 

次にDisscussionとLimitation。

ARB暴露の人数は少ないと、ふむ、男性が多いので女性ではどうかと、ふむふむ、若年層ではどうかはわからないと、ふむふむふむ。

 

まぁ全部記載したわけではないが、こういった記載を読むのもまた面白い。

さてさて、名郷先生の解説を読もう。

マッチングの部分は若干誤解していたな…

なるほど…

というか前置きの部分が…

癌ね…

ARBは日常よく触れる薬剤であるだけに色々と考えさせられる論文であった…

とまぁいつも通り薄っぺらい感想を書いて終わりたいと思う。

杉村太蔵ではないが、薄口政治評論家みたいに、薄口の感想でもいいので、とりあえず論文を読むトレーニングとして続けていきたい。