~学びと気付きの場所作り~

◆地域での活動や、日々試行錯誤した事について書いています◆

1日1論文〜7日目〜

結果の記載が酷いものだったなぁと、今までの論文ブログを振り返って思う。

そして、1日以上間があいてしまった…

今回も、いきなりの反省の弁からはじまってしまったが、淡々と更新していきたい。

 

(注意)

もしもこんなブログをお読みになられる方がいるとすれば、記載内容には全く持って自信がなく、他人に教えるためではなく、私自身の勉強のための記載なので、くれぐれもその点お忘れのないようにしていただきたい。

 

今回も月刊『薬局』の2020年1月号『Evidence Update 2020』に取り上げられた引用論文を『10分で論文を読むワークシート』を用いて読んでいきたいと思う。

(2020年1月号の引用論文を読むのはなぜか)

・引用論文にPMIDの記載があること。

・著者による引用文献に対する解説があるため、

 抄読会をしているかのように自己学習の中で、

 他者の意見を参考にできること。

さて、今日もまた名郷先生の2019年論文ベストテンから、7つ目の論文である。

 

PMID : 31424475

 

August 19, 2019
Clinical Outcomes After Intensifying Antihypertensive Medication Regimens Among Older Adults at Hospital Discharge
Timothy S. Anderson, MD, MAS, MA1,2,3; Bocheng Jing, MS2,4; Andrew Auerbach, MD5; et al

 

JAMAの論文である。

今回のは…私は全文読めないのでAbstractのみとなる…アカウント作れよとかお金払ってでも読めよとのツッコミがあるかと思うがご容赦いただきたい…

 

・論文のPECOは何か?

(Abstract → Results)

The propensity-matched cohort included 4056 hospitalized older adults with hypertension (mean [SD] age, 77 [8] years; 3961 men [97.7%]), equally split between those who did vs did not receive antihypertensive intensifications at hospital discharge.

(Google翻訳 → 傾向に一致したコホートには、高血圧を有する4056人の入院高齢者(平均[SD]年齢、77 [8]歳; 3961人[97.7%])が含まれ、退院時に降圧強化を受けた人と受けなかった人とで等しく分けられた。)

P

4056 hospitalized older adults with hypertension (mean [SD] age, 77 [8] years; 3961 men [97.7%])

E

did receive antihypertensive intensifications at hospital discharge.

C

did not receive antihypertensive intensifications at hospital discharge.

O

(Abstract → Main Outcomes and Measures)

The primary outcomes of hospital readmission, serious adverse events, and cardiovascular events were assessed by competing risk analysis. The secondary outcome was the change in systolic BP within 1 year of hospital discharge.

(Google翻訳 : 病院の再入院、重篤な有害事象、および心血管イベントの主な結果は、競合するリスク分析によって評価されました。 副次的な結果は、退院後1年以内の収縮期血圧の変化でした。)

 

・真のアウトカムか? 

真のアウトカムと言えるだろうと思う。

 

・調整した交絡因子は何か? 

(Abstract → Exposures)

Propensity scores were used to construct a matched-pairs cohort of patients who did and did not receive antihypertensive intensifications at hospital discharge.

(Google翻訳 : 傾向スコアを使用して、退院時に降圧強化を受けた患者と受けなかった患者の一致ペアコホートを構築しました。)

交絡因子が何か?はAbstractまでしか読めないため、わからないが、傾向スコアマッチングされていることはわかる。

 

・結果は何か?

(Abstract → Results)

Within 30 days, patients receiving intensifications had a higher risk of readmission (hazard ratio [HR], 1.23; 95% CI, 1.07-1.42; number needed to harm [NNH], 27; 95% CI, 16-76) and serious adverse events (HR, 1.41; 95% CI, 1.06-1.88; NNH, 63; 95% CI, 34-370). At 1 year, no differences were found in cardiovascular events (HR, 1.18; 95% CI, 0.99-1.40) or change in systolic BP among those who did vs did not receive intensifications (mean BP, 134.7 vs 134.4; difference-in-differences estimate, 0.6 mm Hg; 95% CI, −2.4 to 3.7 mm Hg).

(Google翻訳 : 30日以内に、増悪を受けた患者は再入院のリスクが高かった(ハザード比[HR]、1.23; 95%CI、1.07-1.42;必要な数[NNH]、27; 95%CI、16-76) 有害事象(HR、1.41; 95%CI、1.06-1.88; NNH、63; 95%CI、34-370)。 1年で、心血管イベント(HR、1.18; 95%CI、0.99-1.40)または強化を受けた人と受けなかった人の間の収縮期血圧の変化に差は見られなかった(平均血圧、134.7対134.4; 推定差、0.6 mm Hg、95%CI、-2.4〜3.7 mm Hg)。)

 

感想

 

Abstractまでしか読めなかったものの、ハザード比の記載もあり、退院時に降圧目標値が厳しめに設定された患者のほうが、再入院(ハザード比:1.23)も有害事象(ハザード比:1.41)も有意差がついたとのこと。

どれほどの降圧目標だったのか、Abstractに記載はないが、収縮期血圧の変化に差が見られなかったとの記載と平均血圧の記載からは、それほど低いわけではなさそうかなぁとも思った。

本文を読んでみないと何とも言い難いが、平均年齢77歳(標準偏差:8)の高齢者(69〜85歳に4056人の70%、61〜93歳に4056人の95%がいる)の降圧目標が低すぎるのはいかがなものか、ということか。

男性が多い(97.7%)ので、高齢女性はどうなんだ、とも思ったが…

 

と素人の感想を述べたところで、名郷先生の解説を読んでみる。

 

血圧が同等で、イベントが追加治療群で多いという結果は、血圧の下げ過ぎというより、降圧薬の追加そのものが問題ということであろうか。入院中の血圧は、入院の原因となった疾患によって大きく変動し、治療して退院となった時点でも退院後の血圧を十分反映しておらず、治療変更の基準としては不適切だということかもしれない。退院時の降圧薬の追加は、迷ったらしない方がいいというところが現実的な対応だろう。

名郷直樹 (2020) . 2019年論文ベストテン 薬局 2020 Vol.71.No1 Evidence Update 2020 南山堂 p.13

なるほどなるほど。

 

コホート研究にも少し慣れてきたかなぁと思っているが、まだまだ修行が足らんと反省する次第である。

今後も継続していきたい。