~学びと気付きの場所作り~

◆地域での活動や、日々試行錯誤した事について書いています◆

1日1論文〜2日目〜

気軽にはじめたつもりであったが

ブログに論文を毎日したためるのが

早くも大変になってきた

 

それもそのはず

論文とは別のブログも更新しているからだ

昨日宣言しておいて何だが

無理なく継続していきたいと思う

 

題材が論文であれ何であれ

毎日ブログ更新する

ということだけは継続していきたい

 

今回も

月刊『薬局』の『EvidenceUpdate2020』に取り上げられた引用論文を『10分で論文を読むワークシート』を用いて読んでいこうと思う

 

ただし自己学習の記録としてブログに記載しており

私自身の知識不足もあり内容が薄っぺらい点はご容赦いただければと思う

いつも通り前置きが長くなったがはじめたいと思う

今回も名郷先生の2019年論文ベストテンの2つ目の論文である

 

 PMID:30778597

 

おぉ

これも全文読めるぞ

 

私の知識不足の問題があり

全文読めたとしても

読み込めていないのが難点だが…

とりあえずはじめるとしよう

 

Effect of Intravenous Acetaminophen vs Placebo Combined With Propofol or Dexmedetomidine on Postoperative Delirium Among Older Patients Following Cardiac Surgery
The DEXACET Randomized Clinical Trial
Balachundhar Subramaniam, MD, MPH, Puja Shankar, MD, [...], and Edward R. Marcantonio, MD, SM

 

ざっと見る限りランダム化比較試験のようなので『10分で論文を読むワークシート〜ランダム化比較試験〜』に沿って進めていきたい

 

・ランダム化されているか?

Findings
In this randomized clinical trial that included 120 patients undergoing cardiac surgery, scheduled intravenous acetaminophen administered postoperatively for 48 hours, combined with intravenous propofol or dexmedetomidine as a sedative, significantly reduced in-hospital delirium compared with placebo (10% vs 28%, respectively).

(Google翻訳:調査結果
心臓手術を受けた120人の患者を対象としたこのランダム化臨床試験では、術後48時間のアセトアミノフェンの静脈内投与、鎮静剤としてのプロポフォールまたはデクスメデトミジンの静脈内投与と組み合わせて、プラセボと比較して院内せん妄が大幅に減少しました(それぞれ10%対28%) )

Abstractの前にKeyPointという部分があるんだな

論文を読む数をこなしていないのがバレバレの感想である…

KeyPointのFindingに『randomized』発見

次に進むとしよう

 

・論文のPICOは何か?

P : 

(Abstract→Design, Setting, and Participants)

Randomized, placebo-controlled, factorial clinical trial among 120 patients aged 60 years or older undergoing on-pump coronary artery bypass graft (CABG) surgery or combined CABG/valve surgeries at a US center. Enrollment was September 2015 to April 2018, with follow-up ending in April 2019.

(Google翻訳:オンセンター冠動脈バイパス術(CABG)手術または米国センターでのCABG /弁手術の併用を受けている60歳以上の120人の患者を対象とした無作為化プラセボ対照要因臨床試験。 登録は2015年9月から2018年4月で、フォローアップは2019年4月に終了しました。)

(本文→Methods→Study Participants)

Patients aged 60 years or older undergoing coronary artery bypass graft surgery with or without aortic and/or mitral valve replacement requiring cardiopulmonary bypass were eligible for trial inclusion.

(Google翻訳:心肺バイパスを必要とする大動脈弁および/または僧帽弁置換を伴うまたは伴わない冠動脈バイパス移植手術を受けた60歳以上の患者は、試験参加の資格があった。)

I : 

C : 

(Abstract→Interventions)

Patients were randomized to 1 of 4 groups receiving postoperative analgesia with IV acetaminophen or placebo every 6 hours for 48 hours and postoperative sedation with dexmedetomidine or propofol starting at chest closure and continued for up to 6 hours (acetaminophen and dexmedetomidine: n = 29; placebo and dexmedetomidine: n = 30; acetaminophen and propofol: n = 31; placebo and propofol: n = 30).

(Google翻訳:患者は、アセトアミノフェンまたはプラセボを6時間ごとに48時間静脈内投与し、デクスメデトミジンまたはプロポフォールによる胸部閉鎖を開始し、最大6時間継続して鎮静する4つのグループのうち1つに無作為化されました(アセトアミノフェンおよびデクスメデトミジン:n = 29;プラセボ およびデクスメデトミジン:n = 30;アセトアミノフェンおよびプロポフォール:n = 31;プラセボおよびプロポフォール:n = 30)。)

O : 

(Abstract→Main Outcomes and Measures)

The primary outcome was incidence of postoperative in-hospital delirium by the Confusion Assessment Method. 

(Google翻訳:主要な結果は、混乱評価法による術後院内せん妄の発生率でした。)

(本文→Methods→Study Outcomes)

The primary outcome was the incidence of postoperative in-hospital delirium at any time during a patient’s hospital stay. Delirium was measured daily until discharge with the Confusion Assessment Method (CAM) or CAM-ICU for intubated patients. The CAM is a standardized tool used for identification of delirium through a diagnostic algorithm based on 4 cardinal features of delirium, namely acute onset and fluctuating course, inattention, disorganized thinking, and altered level of consciousness.

(Google翻訳:主な結果は、患者の入院中の任意の時点での術後院内せん妄の発生率でした。 せん妄は、挿管された患者のために混血評価法(CAM)またはCAM-ICUで退院するまで毎日測定されました。 CAMは、せん妄の4つの主要な特徴、すなわち急性発症と変動コース、不注意、混乱した思考、および意識レベルの変化に基づく診断アルゴリズムを介してせん妄を識別するために使用される標準化されたツールです。)

 

・一次アウトカムは明確か?

The primary outcome was incidence of postoperative in-hospital delirium by the Confusion Assessment Method.

(Google翻訳:主要な結果は、混乱評価法による術後院内せん妄の発生率でした。)

The primary outcome was〜と単数であるため

一次アウトカムは明確である

 

・真のアウトカムか?

The primary outcome was incidence of postoperative in-hospital delirium by the Confusion Assessment Method. 

(Google翻訳:主要な結果は、混乱評価法による術後院内せん妄の発生率でした。)

入院時のせん妄で薬が追加され

退院後も薬が継続される事例によく出会うので

せん妄自体発生させないことは重要であると考える

 

 

・盲検化されているか?

Randomization and Blinding
Patients were allocated using computer-generated block randomization of size 8 with the help of a research pharmacy to either acetaminophen or placebo as an adjunct analgesic and to either dexmedetomidine or propofol as a sedative. This resulted in 4 combinations (1:1:1:1) of analgesics and sedatives, namely, acetaminophen and dexmedetomidine, acetaminophen and propofol, dexmedetomidine and placebo, or propofol and placebo. To achieve blinding to analgesia group among patients, care teams, and research staff assessing outcomes, 1 g of IV acetaminophen and placebo (0.9% saline) were distributed in equal-volume IV bags. Given the distinct appearance of propofol, there was no blinding to sedation group.

(Google翻訳:ランダム化とブラインド
患者は、鎮痛剤としてアセトアミノフェンまたはプラセボのいずれか、および鎮静剤としてデクスメデトミジンまたはプロポフォールのいずれかに研究薬局の助けを借りて、サイズ8のコンピューター生成ブロック無作為化を使用して割り当てられました。 これにより、鎮痛薬と鎮静薬の4つの組み合わせ(1:1:1:1)、すなわちアセトアミノフェンとデクスメデトミジン、アセトアミノフェンプロポフォール、デクスメデトミジンとプラセボ、またはプロポフォールプラセボが得られました。 患者、ケアチーム、およびアウトカムを評価する研究スタッフの間で鎮痛剤群に対する盲検化を達成するために、1 gのIVアセトアミノフェンプラセボ(0.9%生理食塩水)を等量のIVバッグに入れて配布しました。 プロポフォールの明確な外観を考えると、鎮静グループに対する盲検化はありませんでした。)

blindingの文字があり盲検化はされていると確認

(盲検化の詳細は…)

 

・ランダム化は最終解析まで保持されたか?

ITT(Intention-to-treat)解析されてるか?

 ITTの記述はない

f:id:GORIABURA21:20200304032808j:image

 検索したがひっかからず

 

結果を覆すほど脱落者がいるか?

 AbstractのResults1行目には

 121人中120名がコンプリートとある

Among 121 patients randomized (median age, 69 years; 19 women [15.8%]), 120 completed the trial. 

(Google翻訳:無作為化された121人の患者(年齢中央値、69歳、19人の女性[15.8%])のうち、120人が試験を完了した。)

 また本文ResultsのStudy Populationの第一文にも

A total of 140 patients provided informed consent and were enrolled, of whom 121 were randomized and a total of 120 received the study intervention and were subsequently analyzed (Figure 1).

(Google翻訳:合計140人の患者がインフォームドコンセントを提供し、登録されました。そのうち121人が無作為化され、合計120人が研究介入を受け、その後分析されました(図1)。)

 とありFigure1にもacetaminophen and dexmedetomidineグループで30名から最終的に29名になっている記載がある

 

・RESULTS

Among 121 patients randomized (median age, 69 years; 19 women [15.8%]), 120 completed the trial. Patients treated with IV acetaminophen had a significant reduction in delirium (10% vs 28% placebo; difference, −18% [95% CI, −32% to −5%]; P = .01; HR, 2.8 [95% CI, 1.1-7.8]). Patients receiving dexmedetomidine vs propofol had no significant difference in delirium (17% vs 21%; difference, −4% [95% CI, −18% to 10%]; P = .54; HR, 0.8 [95% CI, 0.4-1.9]). There were significant differences favoring acetaminophen vs placebo for 3 prespecified secondary outcomes: delirium duration (median, 1 vs 2 days; difference, −1 [95% CI, −2 to 0]), ICU length of stay (median, 29.5 vs 46.7 hours; difference, −16.7 [95% CI, −20.3 to −0.8]), and breakthrough analgesia (median, 322.5 vs 405.3 µg morphine equivalents; difference, −83 [95% CI, −154 to −14]). For dexmedetomidine vs propofol, only breakthrough analgesia was significantly different (median, 328.8 vs 397.5 µg; difference, −69 [95% CI, −155 to −4]; P = .04). Fourteen patients in both the placebo-dexmedetomidine and acetaminophen-propofol groups (46% and 45%) and 7 in the acetaminophen-dexmedetomidine and placebo-propofol groups (24% and 23%) had hypotension.

(Google翻訳:無作為化された121人の患者(年齢中央値、69歳、19人の女性[15.8%])のうち、120人が試験を完了した。 アセトアミノフェン静注で治療された患者では、せん妄が有意に減少しました(10%vs 28%プラセボ;差、-18%[95%CI、-32%から-5%]; P = .01; HR、2.8 [95%CI 、1.1-7.8])。 デクスメデトミジンとプロポフォールを投与された患者では、せん妄に有意な差は認められなかった(17%vs 21%;差、-4%[95%CI、-18%から10%]; P = ;. 54; HR、0.8 [95%CI、0.4 -1.9])。 アセトアミノフェンプラセボを優先する3つの事前に指定された二次転帰について、有意差がありました:せん妄期間(中央値、1対2日;差、-1 [95%CI、-2から0])、ICU滞在期間(中央値、29.5対46.7 時間、差、-16.7 [95%CI、-20.3〜-0.8])、および突破鎮痛(中央値、322.5対405.3 µgモルヒネ等価物、差、-83 [95%CI、-154〜-14])。 デクスメデトミジンとプロポフォールでは、突破性鎮痛のみが有意に異なっていた(中央値、328.8対397.5 µg、差、-69 [95%CI、-155〜-4]、P = .04)。 プラセボ-デクスメデトミジンおよびアセトアミノフェン-プロポフォール群の14人の患者(46%および45%)、およびアセトアミノフェン-デクスメデトミジンおよびプラセボ-プロポフォール群の7人の患者(24%および23%)は低血圧でした。)

 

感想

 

そもそも

せん妄について詳しいとは言えないので

調べてみる必要がある

『今日の臨床サポート』で調べてみた

概要・推奨
症状のポイント:
せん妄は、錯覚・幻覚(幻視)などの異常体験、精神運動興奮・不安などが加わった特殊な意識障害である。
せん妄の有病率は、入院患者の10~30%、高齢者では10~40%に起こる。入院している癌患者では25%、入院しているエイズ患者では30~40%、術後患者の51% 、末期患者の約80%に臨死期に発症するとされている。
興奮のため身体に挿入されている点滴などを抜去したり、ベッドから離れるなどの行動が突然起こることもある。したがって、診断を的確に行い早期の介入が必要である。
せん妄のために原疾患の治療が遷延したり、事故を起こすこともある。
 

診断・症状治療:
せん妄は臨床的に大きく活動型せん妄と活動低下(寡動)型せん妄、その混合型に分類され、早期介入が必要なものは活動型せん妄である。 >詳細情報 
質問しても応答が明確でなく、集中力が低下し、意識障害が疑われる場合には、簡単な数字の逆唱をさせ、間違いがないか。見当識の障害がないか場所、時間を確かめる。
症状は日内変動し、朝よりも夕方のほうが悪化することが多い。夕方頃から患者が落ち着かなくなるため、たそがれ症候群ともいわれる。
妄想は体系化された妄想というよりは新奇な体系化されていない妄想が多く、幻覚も統合失調症によくみられる幻聴よりは、幻視や錯覚の訴えが多い。
症状は1日のうちでも変動するため、確定診断する情報として看護日誌や家族からの情報も参考になる。
 

薬物療法
他科の医師との連携:1)せん妄の基盤にある原因の同定、2)緊急性のある一般身体疾患に対して早急な介入、3)患者とほかの人々の安全性の確保、4)患者の精神医学的状態のモニターなど行う。 >詳細情報 
環境的・支持的介入:1)睡眠・覚醒のリズムを保つため、適切なレベルの環境刺激、2)感覚障害を軽減、3)見当識を助けるような環境、4)認知的-情動的な支持を提供する。 >詳細情報 
 

薬物療法
興奮や幻覚(幻視)のために大声を出したり、幻覚に伴った活動をする場合は薬物療法を行う。
経口、筋注、静注などの方法で、ハロペリドールを用いる。最近では、ハロペリドールによるパーキンソン症状などの錐体外路症状が発症することがあるのでリスペリドン、ペロスピロン、アリピプラゾール、クエチアピン、オランザピンなどの第2世代抗精神病薬が主に用いられる。ただし、クエチアピン、オランザピンは糖尿病患者には禁忌である( >詳細情報 )。 オランザピンの筋肉注射は糖尿病患者を含めて3日間だけは使用できる。
せん妄に対する薬物療法のなかでわが国において保険適用がある薬剤は、チアプリドだけである。チアプリドは、脳梗塞後遺症に伴う攻撃的行為や精神興奮、徘徊の改善などに適用を有している。ハロペリドールを含め、ほかの抗精神病薬はすべて保険適用外である。
アルコール離脱せん妄に対しては、アルコールと交差耐性を有するジアゼパムを10~20㎎ゆっくりと静注する。内服が可能な場合には、アルコール離脱期にはジアゼパム10~15mg/日を内服させる。
 

入院の決定: >詳細情報 
せん妄は入院中の術後患者、老人保健施設認知症治療病棟で発症することが多く、それぞれの入院施設で治療をするのが原則である。
せん妄状態が遷延したり、興奮が激しい場合は精神科病棟に入院させねばならないこともある。
 

背景評価のアプローチ:
脳腫瘍など脳そのものに病変がある場合だけでなく、肝硬変や糖尿病など、肝臓や腎臓などの身体疾患が悪化するとせん妄状態から昏睡までの意識障害を起こすことがある。  >詳細情報 
 

臨床のポイント:
発症率の高い症候群である。
精神症状は軽い意識障害が根底にあることに注意が必要である。
治療には抗精神病薬ハロペリドールなど)と環境調整が必要である。

 

出典:今日の臨床サポート『せん妄』

著者: 中村純

産業医科大学 名誉教授

監修: 上島国利

昭和大学

著者校正/監修レビュー済:2019/02/20

 

『今日の臨床サポート』の概要・推奨には割愛されているが

本文の重症度の項目には『せん妄の臨床評価尺度』があり

この論文中にも記載されているCAMがあった

『せん妄の臨床評価尺度』は15個もとりあげられており沢山のツールがあるんだなと無知な私は知る

 

以前定期購読していた薬学系雑誌の特集でも『せん妄』あったのに…

 

ちなみにGoogleで『せん妄 評価 CAM』と検索してみた

f:id:GORIABURA21:20200304130810j:image

1番上にあがったページを見てみると

簡便なスクリーニングとして,CAM(Confusion Assessment Method)1) がよく用いられている(表 2).

表 2 CAM(Confusion Assessment Method)
1.急性発症で変化する経過

2.注意力散漫

3.支離滅裂な思考

4.意識レベルの変化
せん妄の診断: 1,2 は必須に加えて 3 または 4

(出典:http://www.chugaiigaku.jp/upfile/browse/browse1208.pdf)

薬局の中でせん妄患者さんに遭遇することは稀(ほぼない)と思われるが介護施設などでは発症することがあると思われ

その場合には施設職員とのコミュニケーションが重要になりそうだ

 

論文自体

病院内で行われているものなので

薬局勤務の身としてはあまり身近ではないが

色々と知る機会となった

薄っぺらい内容てばあるが

自らの学びのために継続していきたい