~学びと気付きの場所作り~

◆地域での活動や、日々試行錯誤した事について書いています◆

引用論文を読んでみよう

毎日更新継続中

 

昨日ははじめてブログで論文を取り上げてみた

全文が読めないものだったので

Abstractしか読めなかったため

『10分で論文を読むワークシート』を使ったものの

確認できない部分が結構あった

 

代用のアウトカムとして

最後まで読み進めたものの

チェックできない項目が多く

またスコアの意味を理解していないため

スコアそのものを調べる必要があった

 

昨日のブログではADLスコアについてはさておき

全文読めないがReferencesを眺めてみる

引用された論文タイトルがズラリ

もちろん、どれもAlzheimer diseaseだったりstatin関連の論文である

タイトルのキーワードを拾ってみると

(この行為に意味があるかはさておき)

・epidemiology 

・dementia 

・improving healthcare 

・the association between cholesterol and cognitive function

・simvastatin

・mouse model

・atorvastatin

・pitavastatin

・narrative review

・comprehensive review

などなど

 

キーワード(勝手にキーワードとした)を羅列しようとして引用論文のタイトルを見てみたのだが

意外と面白いなぁ

 

昨日は苦手としているメタ解析の論文をAbstractのみ読んだので

今日は比較的慣れているRCT論文を引用から探して読んでみようと思う

 

References No37に決めた

タイトルにそそられたからであるが

2002年のものと古いが読んでみる

 

論文を読むのもトレーニン

 

筋トレをしなくなると筋力が低下するように

文章も書かないと書けなくなるし

論文も読まないと読めなくなる

 

量より質と言われることもあるし

確かに質も大切であるが

『圧倒的な量は質へと転化する』

(尊敬する薬剤師の1人、根本先生のTwitterより)

これを信じて

Lvの低い自分のケツを叩いていきたい

 

ということでタイトルは

『Treatment with simvastatin in normocholesterolemic patients with Alzheimer’s disease: a 26-week randomized, placebo-controlled, double-blind trial.』

(PMID : 12205648)

 

恒例の『10分で論文を読むワークシート(ランダム化比較試験)』を使っていざ読まん!!!

 

と意気込んでいたら…全文読むのは金かかるんかい…

それにAbstractは短いし…構造化されてへんし…

ぱっと見ただけでもn数は少ないし…Abeta levelってアミロイドβのことかな…ってことは代用やんけ…

 

ということで…

またもと論文のReferencesに戻ってタイトルを眺めてみよう…

なんかジャケ買いしている気分だな(笑)

 

今日の気分はRCTなので

タイトルずばりのRCTを探す

(あ、タイトルにrandomizedが入っているって意味です、はい)

できれば無料で全文読めるのがいいなぁ

 

72個の論文が引用されているが

タイトルにそのものずばりっていうRCTは少ない印象

結局No.38以降は見つからず

(あ、きちんと開いていったり、開いた論文の引用をさらに見るなどすれば見つかりそうですが)

 

No.37より数字を遡って探す

するとNo.25『Randomized controlled trial of atorvastatin in mild to moderate Alzheimer disease』

(PMID : 20200346)を見つけた

2010年にNeurologyという雑誌に掲載された論文だが読んでみるか

 

これもか…

 

お金払わないと全文見れないやつだな

まぁさっきのと比べるとAbstractも長いし構造化されてるしこれを読もう

 

・ランダム化されているか

そもそもタイトル「Randomized controlled trial of atorvastatin in mild to moderate Alzheimer disease」にずばり(というタイプを探していたので…)

他にもAbstractのMethodに「This was an international, multicenter, double-blind, randomized, parallel-group study. 」とある

 

・論文のPICOは何か?

P : 640patients

     →mild to moderate probable AD

         (Mini-Mental State Examination score 13-25)

    →aged 50-90 years,

    →taking donepezil 10 mg daily for >

        or 3 months prior to screening.

    →LDL-Cwere > 95 and < 195 mg/dL

I : atorvastatin 80 mg/day

C : placebo

O : Coprimary endpoints were changes in cognition (Alzheimer's Disease Assessment Scale-Cognitive Subscale [ADAS-Cog]) and global function (Alzheimer's Disease Cooperative Study Clinical Global Impression of Change [ADCS-CGIC]) at 72 weeks.

 

・一次アウトカムは明確か?

Coprimary endpoints were changes

明確ではない

 

・真のアウトカムか?

Coprimary endpoints were changes in cognition (Alzheimer's Disease Assessment Scale-Cognitive Subscale [ADAS-Cog]) and global function (Alzheimer's Disease Cooperative Study Clinical Global Impression of Change [ADCS-CGIC]) at 72 weeks.

スコアの変化である…

認知症の場合はスコアぐらいしか量的変化を調べられない背景があるとはいえ…

代用として読み進めるかな…

 

・盲検化されているか?

This was an international, multicenter, double-blind, randomized, parallel-group study.

二重盲検の記載あり

本文が読めないため

どのように盲検化されているかは判断できず…

 

・ランダム化は最終解析まで保持されたか?

ITT解析や脱落の記載はAbstractにはなし

 

感想

 

ん〜

本文読めないので結果の部分もよくわからない

(私の実力不足もあるが…)

なんせAbstractのRESULTSには

A total of 640 patients were randomized in the study. There were no significant differences in the coprimary endpoints of ADAS-cog or ADCS-CGIC or the secondary endpoints. Atorvastatin was generally well-tolerated.

としか書いてない

 

有意差がないとRESULTSに記載してあり

RESULTSの下のCLASSIFICATION OF EVIDENCEにp値は記載されている

This study provides Class II evidence that intensive lipid lowering with atorvastatin 80 mg/day in patients with mild to moderate probable Alzheimer disease (aged 50-90), taking donepezil, with low-density lipoprotein cholesterol levels between 95 and 195 mg/dL over 72 weeks does not benefit cognition (as measured by Alzheimer's Disease Assessment Scale-Cognitive Subscale) (p = 0.26) or global function (as measured by Alzheimer's Disease Cooperative Study Clinical Global Impression of Change) (p = 0.73) compared with placebo.

 

論文の患者背景としてはMMSEスコアが13〜25との中等度の認知機能低下となるが実際の臨床像がピンとこない

ピンとこないのは薬局で患者のMMSEスコアや長谷川式のすこあなど確認しているわけではないからであると思う

ちなみにMMSEについては昨日のブログにも記載したがスクリーニングとしての感度や特異度のみだったので、そもそもどんな検査かWikipediaから引用してみた

ミニメンタルステート検査(ミニメンタルステートけんさ、Mini Mental State Examination、MMSE)は、認知症の診断用に米国で1975年、フォルスタインらが開発した質問セットである。30点満点の11の質問からなり、見当識、記憶力、計算力、言語的能力、図形的能力などをカバーする。24点以上で正常と判断、10点未満では高度な知能低下、20点未満では中等度の知能低下と診断する。

出典:ミニメンタルステート検査 - Wikipedia

 

この論文は2010年のもので

現在、認知症や軽度認知機能障害に関しては

日常生活に支障があるかないかという点が重要視されている

 

そういった意味では患者ごとに背景や臨床像が異なるので、個別性が必要だろうし、何をすれば正解といったものでもないだろう

 

まぁそもそも練習として読んでおり

今後も継続していきたいと思う