~学びと気付きの場所作り~

◆地域での活動や、日々試行錯誤した事について書いています◆

釜石を福祉の街に

毎日更新4日目

継続は力なり

でやっていきたい

 

先代医師会長の言葉

 

先日

釜石医師会の副会長が次のような話をしていた

「先代の工藤医師会長が次のように話していたのを思い出す。医師不足を解消するために、医師数を増やすのは難しい、ではどうするかと言えば、他職種を巻き込んでいく必要があるのではないか。他職種を巻き込み、地域住民のために医療の質を上げていく。そして、釜石は福祉の街を目指していくべきではないのか、とおっしゃっていた」

いつの言葉かはわからないし

発言を忠実に文章化できたわけではないが

概ね外れていないと思う

 

工藤医師会長は故人であるが

その息子である

現在の釜石歯科医師会会長の年齢を考えると

数十年前の言葉になると思われる

今現在の日本の医療介護の現状を考えても

先進的な思想であると感じる

 

そして現在

釜石は医療介護連携という意味では

岩手県内でも

また全国的にも

先頭集団をひた走っていると認識している

 

地域の歴史を知り後進に紡いでいくこと

 

釜石が先頭集団にいられるのは

先人達が後進に上手くバトンを渡しながら

歴史を紡いできた結果なのだろう

そんな釜石で薬剤師として働ける喜びを感じるとともに

私達も後進にバトンを引き継ぐために行動し続けなければならないという使命感にかられる日々である

 

私が釜石に来たのは

東日本大震災発災前年の2010年

まだ薬剤師になりたての私は

他の地域を見てきたわけではないので比較することはできないものの

医師、歯科医師、薬剤師の三師が顔を合わせて

気さくに会話している姿を見て衝撃を受けた

なぜなら、テレビなどの影響もあり、医師は医療のヒエラルキーのトップににいるイメージがあったからだ

 

10年前から

(今も変わらずだが)

医師の方から他職種に声をかけにいく姿勢を見せつけられ

一般市民として育っていく中で構築された、ある意味悪いイメージは崩れさった

 

釜石の医師から聴く言葉の数々を

薬剤師として思い悩んでいる人々に聴かせてあげたいくらいだ

「薬剤師さんが疑義照会してくれるので、いつも助かっているよ」

「風邪処方くらいなら薬剤師さんができるような世の中になっていくべきだよな」

「薬剤師さんはもっと医師に物申して欲しい、我々医師よりも薬のプロなのだから」

私が直接聴いたことのある言葉を記したが

どれも釜石の医師から薬剤師への期待と感謝の気持ちをこめての言葉である

 

もちろんこうした信頼を受ける以上

我々薬剤師の責任は重大である

そのことを肝に銘じながら今も日々行動をし続けている

 

薬剤師はどのように変わったのか

 

振り返れば

私が釜石に来た当初は

服薬情報提供書(トレーシングペーパー)なんて使う習慣などなかったし

薬剤師の在宅医療への参加などほとんどないようなものだったし

医師に処方提案するなんてことはなかった

 

今では当たり前のように

服薬情報提供書を書き

在宅医療に参加し

医師に処方提案をしたり

医師との対話と協働がなされていると思う

 

また

医師以外の職種との情報共有や連携といった点でも

多くの実践が日々なされている

歯科医師、看護師、管理栄養士、作業療法士理学療法士言語聴覚士保健師介護福祉士、介護福祉専門員、福祉用具専門相談員、など多くの職種との連携が日々行われている

 

こうした実践を繰り返し

後進を巻き込みながら

この地域の歴史を紡いでいくことが重要なのだと感じている

 

今後の課題

 

ここまで読んで

課題などないのかと感じた方もいるかもしれない

もちろん沢山の課題があると思っている

・ICTなどのテクノロジーの活用

・世代交代に伴う歴史の継承

・連携の質の向上

・実践を世に示す

・医療介護以外の職種との乖離

・住民を巻き込んでのリテラシー向上

などの課題がすぐに思いつく

もちろん、私が考えついたものなので、他者がどう考えるかはまた別である

 

私が釜石に来てからの10年でも

多くの課題を解決しながら変化していると感じる

 

今後も課題を解決し

また課題が発見される

そんな繰り返しで地域医療を作っていけるよう

より一層の努力をしていきたい

そう思うのだ